naim-audio 729board

naimのプリアンプはNAC12から始まって、22.32.42.52.62.72…と続いていきますが、番号は開発が始まった順番に並んでお り、発売順とは異なります。

ハーフサイズのプリアンプは2つの系列でモデルチェンジが行われており、

12系(奇数番系) 12-32-32.5-72
こちらはメインボードにはほとんど部品が実装されておらず、ドーターボードを差すタイプ。

22系(偶数番系) 22-42-42.5-62
こちらはメインボードに部品が実装されていて、フォノイコライザーボードなどだけがドーターボードで差し替え可能となっています。

基本的に奇数番の方が高価でしたが、主に好みの違いで選ばれていたようで、グレード分けとは多少意味合いが異なるようです。

*ハーフサイズに限定したのは、その方が分類が簡単である、という理由によります。
NAC52はNAC72の後に発売された、naimのハイエンドプリ。82はその機能縮小版。92はプリメインであるnait3のプリ単体機、そのリモー ト付きバージョン92R、更にリモコン標準の102といったプリがあります。102以降は5シリーズとなり、デザインが一新されると共に、型番も頭に5が 付くようになりました。

さて本題ですが、私の使っているNAC32.5はNAC72へのモデルチェンジによって販売が終了しましたが、32.5と72は共にドーターボード 式のため、ボードの差し替えによって、32.5を72同等にアップデートする事が可能となってます。
*12、32も同様のアップデートが可能かもしれませんが、32から32.5へのモデルチェンジ時には、電源供給の方式が 変わっており、これはメインボードの交換及び、パワーサプライへのコネクター変更が必要になります。
32から32.5へのアップデートは、naim本社で可能だったと聞いていますが、現在でもこのサービスが 継続されているかどうかは、不明です。

NAC72は見かけ上NAC32.5とは一組(左右チャンネル)のボードが変更されているだけです。この変更されたボードは
NA729という型番で、time aligned boardと呼ばれています。32.5に装着されているのはNA324ボードで、buffer stageと説明されています。
NA324ボードをNA729ボードに変更することで、このアップデートは実行されることになります。

というわけで、アップデートキット一式。
右側が729ボード。アンプの下段右端に刺さっているのが324ボード。
左側は321ボード。これはアンプに刺さっているのも同じ型番ですが、ロットナンバーが最新の5番になっています。
321はgain stageと説明されています。

ちなみに下段左端はpower relay board、上段左がフォノボード、上段右はテープバッファーボードになります。
テープバッファーボードは324ボードで、これも729ボードに差し替えが可能とのこと。私はTAPE OUTを使わないので、普段はこのボード抜いてます。さらにPHONOを使わないなら、上段は全部抜いても動作します。

一枚だけ差し替えたところ(笑)。
729は324に比べると少々横幅がありますね。

上段左から 321/5 729/1 (/の後がロットナンバー)
下段左から 321/3 324/6
321の方は、コンデンサーの部品が変更されている…だけに見えます。



裏面
321はほぼ一緒。

というわけで、交換は10分で終わり。写真撮らなければ3分くらいでしょうか(笑)。
工具も一切不要です。

NAC32.5とNAC72は音の傾向が少々違うので、好みが分かれる部分があると思いますが、ハイファイ調の32.5とリズム感重視の72というのが、 いままでの私の印象でした。
交換してみての印象は、リズムが弾んで良くなった所までは予想通り。全体にシャキッとしてますね。悪くなった部分は…見あたらないかも(笑)。
…ボードが4枚新しくなったというのが大きいんでしょうね。

naim製品は「リキャップ」(キャパシター交換の意か?)と呼ばれる劣化部品交換サービスがあるので、これを施すのが長く使う人の基本なのです が、今回はそれに近いサービスを、簡易的に行うこともでき、とても効果 的なアップデートとなりました。


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